建設プロジェクト管理はプロジェクトの実現を目標とし、建設プロジェクトの建設全過程に対して合理的かつ効率的に計画、組織、制御、協調を行うシステム管理活動である。内容から見ると、建設プロジェクトの管理はプロジェクトの提案書の作成、組織的な研究設計、関連プロジェクトの設計を行い、工事の施工から竣工までの全過程の管理作業を含んでいる。

建設プロジェクト管理の3つの特徴:

1、唯一性

建設プロジェクトは永久性があり、一度に成功することは極めて重要なポイントになる。建設工事の管理過程でミスが発生すれば、是正が難しく、深刻な結果と経済的損失を招く。

2、総合性

建設プロジェクト管理は1つのプロセスであり、その中の各段階の境界は明らかで、しかも互いにつながって、途切れがない。これは建設プロジェクトの管理対象がプロジェクトの全過程であることを決定した。各段階には,進捗、品質、コスト、安全管理などの要素が含まれる。

3、制約性

建設プロジェクトの管理中、低コスト、短工期、高品質は建設プロジェクト管理の主要な目標であり、限られた工期と資源消耗の比例、既定の機能要求と品質基準に達することができるかどうかは、建設プロジェクトの管理に関する制約条件が他の管理類よりも大きくなる。

昔から、国内の伝統的な工事プロジェクトの管理は主に一時的な組織(例えば建設管理部)を作ることによって、建設プロジェクトの設計、調達、施工及び試運転を統一的に管理する。しかし、中国経済の急速な発展に伴い、インフラが絶えず改善され、エネルギー、交通、石油化学などの関連分野の大型プロジェクトの数量は明らかに増え、事業主は工期目標、品質目標、環境目標、安全目標及び経済目標などに対する要求と期待もますます高くなっている。伝統的なプロジェクト管理モデルは専門化の程度が低く、管理方法と管理技術が立ち後れ、経験が蓄積と参考にならないなどの欠点があるため、新しい情勢下での現代プロジェクト管理の要求に適応しにくい。

しかし、海外、特に欧米と日本は建設プロジェクト管理の歴史は比較的長い。一部の外資系建設プロジェクト管理会社は、早い段階で中国市場に参入して、多くの業務を展開してきた。彼らの専門性の強い、管理方法や管理技術が成熟し、管理経験が豊富で、多くの知識と技術を参考にできる。

よくある管理モデルには以下のようなものがある。

一、設計-施工(design—build、db)モデル

DBモデルは国際的にも鍵引渡すプロジェクト、あるいは一括工事請負プロジェクトと言われいる、中国でも「設計・施工総請負工事」と言われている。DBモデルは落札業者が設計と施工を一括請負方式である。DBモデルは利点と欠点が明白であり、まずDBモデルには以下の4つの利点がある

(1)施主、請負業者と緊密に協力し、調整の費用と時間が減る。

(2) 請負者はその豊富な技術と経験(例えば材料、施工方法、構造、コストと市場など)を設計図に反映することができ、コストを制御し、コストを下げるのに有利である。

(3) 工期をコントロール、短縮することが有利である

(4)責任・リスクは明確である。

DBモデルは一般的に使われている建設プロジェクトの管理モデルであるが、しかし、その欠点は同様に明らかであり、主に以下の3点がある。

(1)施主は最終設計と細部設計に対するコントロール能力は比較的低い。

(2)請負業者の設計案は工事経済性と設計品質に大きな影響を持っているため、請負業者はもっと大きいリスクを負担しなければならない;

(3)交付方式手続が複雑で、競争が少ない。

二、設計—調達—施工(Engineering Procurement Construction,EPC)方式

EPC方式は设计施工一体化モデルと呼ばれる。具体的に言えば、EPC方式はプロジェクト決定後、引合を経て、設計からある工事業者に依頼し、設計-購買-施工を含む総請負いする方式である。施主は、EPC方式を採用した上で、請負契約で定められた総価格または調整可能な総価格方式で、対応する工事会社が工事プロジェクトの工期、コスト、品質、安全などを管理・コントロールし、契約の内容によって工期と品質を確保して工事を完成させる。

EPC方式とDB方式は大きな類似性があり、両者の違いは、DB方式よりEPC方式の仕事範囲は広い、DB方式は工場建設プロジェクトに適合していり、EPC方式は一般建設プロジェクトあるいは土木プロジェクトに適合している。また、EPCは総金額または調整可能総金額契約を採用しているため、請負業者が追加費用を請求する余地は少なく、合理的に予測できないリスクによって工事コストが上昇した場合には自己負担となる。一方,総請負者はより多くの利益を得るために設計案を修正してコストを下げる可能性があり、さらに長期的な意味での品質に影響を及ぼす可能性がある。

3、設計-入札-施工(design-Bid- build、DBB)方式

DBB管理方式は現在、国際的に最も広く採用されている主流管理方式であり、世界銀行、アジア開発銀行融資プロジェクトと国際コンサルタントエンジニア連合(FIDIC)の契約条件を根拠にするプロジェクトはほとんどこの方式を採用されている。具体的に中国に言えば、業界では一般的に採用されている「プロジェクト法人責任制」、「入札制」、「建設監理制」、「契約管理制」は基本的にDBBモデルを参照している。

DBB方式とは、設計段階で工事引合資料を作成し、その後の入札を通じて請負業者の選定する。しかし、個別工事の下請け業者と設備、材料の仕入れは総請負業者と下請け業者とサプライヤーとの間に単独契約して実施する。この方式はプロジェクト推進中にD-B-Bの顺番に実施することを強調し、前の段階は完了してから、次の段階に入るという。

DBB方式の約束の元で、各段階は必ず順番にやらなければならないため、DBBの管理方式の一番優れている点は管理方法の成熟である。参加の各当事者は関連する手続の流れや内容に対して熟知しており、施主が自身の要求に基づいて自由にコンサルタント、設計者、エンジニアなどを選ぶことができ、設計要求条件に対して自己コントロールと調整ができ、各当事者に適する標準契約書を採用でき。契約管理、リスク管理と投資の減少に有利である。DBB方式のため、各段階は順番に実施しなければならないためDBB方式が、他の方式より以下のデメリットがある。

(1)プロジェクトの工期が長い、施主と設計、施工会社にそれぞれ契約し、各社は自分領域のことを管理するため、管理費が高い。

(2)設計内容の施工性は悪い

(3)多方参加するため、各自は自分範囲の責任を果たして、工事事故責任の識別はである(例えば、図面から引き起こした紛争は多く、損害賠償も多く)。

4、建築工事管理(construction　Management、CM)方式

CM方式は段階的発展方式あるいは快速軌道方式とも呼ばれる。CM方式の主要思想は施主がCM会社に委託し、一請負業者の身分でプロジェクト全体管理を行う仕事(FS報告、设计、購買、施工、竣工と試運転など)である。CM方式の考え方は以以下の通りである：プロジェクト全体を数段階に分け、各段階の設計、入札、施工を十分に繋がって、工事が早期完了するように督促して、工期短縮する目的を達成する。

CMのメリットは、

(1)プロジェクトの工期管理において、CM方式はバラ発注を採用したため、集中管理をしやすい、設計と施工はうまく連携させ、工期短縮に有利である。

(2)CM会社は設計側との調整を強化して、設計修正による工期遅れは減ることができる。;

(3)コスト管理の面において、施工中の設計変更を減ることができる。

(4)設計と施工は十分に調整できるため、施工品質を高めることができる。

(5)施主と総請負業者は協議して下請け業者を選定することができるため、もっと合理的に選定することができる。

CM方式のデメリットは以下３つがある。

(1)CM経理及びその会社の資質と信頼性に対する要求は比較的高い

(2)バラ発注方式を採用するため、発注金額は高くなる可能性がある。

(3) CM方式は通常「コスト＋管理料」の契約方式を採用するため、手本契約に対する要求が高い。

建設プロジェクト管理方式は施主のニューズに合わせて以下の選択肢がある。

１） 施主現場代表（CP）

プロジェクト管理会社は施主を代表して、設計中と施工中に部分的な項目を管理する。派遣する技術者数は施主の要求に合わせて行う。

２） 工事現場のプロジェクト管理(CM)

プロジェクト管理会社は設計管理しない、工事現場に対して全面管理を行う。派遣する技術者数は工事規模によって決まる。

３） 設計と施工の管理(EMCM)

プロジェクト管理会社は設計に対する全面的に管理する以外に、工事現場に対しても全面的に管理を行う。派遣する技術者数は業務内容によって決まる。

４） プロジェクト全過程管理(PM)

プロジェクト管理会社は設計と施工に対して全面管理以外に、また本プロジェクトと関連したすべての仕事に対する管理を行う。官庁申請手続の管理を含む。

５） 設計、調達と施工の一体化管理(EPCM)

プロジェクト管理会社は設計と資材を管理する以外に、プロジェクト全過程に対して管理を行う。